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メールの受信は POPか IMAPか?

(2023年11月07日)

 電子メールの受信はプロトコル(通信規格)の違いにより、POPとIMAP の2つの方式があります。それぞれの詳細は後述しますが、古くから1台のPCでメールに親しんできた高齢の方は、メールの受信はPOPにするとほぼ決まっていました。ただ、近頃の若い人はスマホの普及や自宅と勤め先で複数のPCを扱うことも多くなり、IMAPに設定する人が増えてきました。
 この2つの違いは受信したメールをプロバイダにある受信サーバから、削除するか残すかだけです。もう少し詳しくいうと、POPはメールをPC内にダウンロードして使いサーバからは一般に削除します。IMAPはメールを受信サーバにそのまま残して使うという仕組みです。
 ネット社会の大きな変遷もあり、どっちが便利かは自身のデバイス環境によって異なります。現在では高齢の方はPOP派、若い人はIMAP派というのが実態のようです。ここでは 2つの受信方式の違いを深掘りしてみます。


<POPとIMAPの違い>
 個人がプロバイダとインターネットの接続契約をすると、その人専用の受信サーバと送信サーバがプロバイダの構内に作られます。メールを受信するプロトコルは 2つの方式、すなわちPOP(Post Office Protocol)と IMAP(Internet Message Access Protocol)があります。Outlook・Thunderbird・Becky! などの PC用メールソフトでは、受信サーバの設定で POPか IMAPのいずれかのプロトコルを選択しなければなりません。

 さて、POPは受信したメールを受信サーバから自PCにダウンロードして管理します。高齢者の方は使い慣れたPCを使い、古いデータを何年間も自PCに保存(オフライン利用)しておく人もいます。こんな使い方はPOPでしかできません。受信デバイスはPC とスマホが 各1台というぐらいの人はこのPOPがいいでしょう。ただ、POPはその設定や使い方が厄介なところがあります。最終項の<POPでの注意事項>に触れていますので参考にしてください。
 一方、IMAPは受信したメールは受信サーバに置いたままで扱うというプロトコルです。自宅と会社でPC 2台、通勤途中はスマホなど、頻繁に複数のデバイスで同じメールアドレスを利用したい人がいます。こんな人にとっては受信したメールを長く保存するという考えはありません。ただ、受信サーバの容量には制限(3GB5GBぐらい)があったり、受信後 半年・1年・2年など経過したら削除することもあるようです。IMAPではサーバの管理を怠らないでください。

<Outlookで POPを手動設定する>
 友人のPCの立ち上げ設定をサポートしたときの経験です。Windows11のOutlookを開いて、「ファイル」タブ~「アカウント情報」で、「+アカウントの追加」からメールの設定を始めます。下図左の画面になるので設定したいメールアドレス記入して、深く考えずに「接続」を押すと勝手に IMAPの設定になってしまいます。IMAPの受信設定はメールアドレスとパスワードを入力するだけで簡単に終わります。
 Outlook2021に POPを設定するには 下図右のようにメールアドレスを記入後に、「詳細オプション」をクリックして「自分で自分のアカウントを手動で設定」にチェックして「接続」を押します。これでPOPの設定が可能になります。

 下図左の画面になるので「POP」ボタンを選択すると、下図右「POPアカウントの設定」画面になります。「パスワード」を入力して「接続」ボタンを押し、さらにウィザードを続けます。
 受信(POP)の設定が終われば、次に送信(SMTP)の設定をします。送信のプロトコルはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)といいます。以降もウィザードに従って設定していきます。

<POPでの注意事項>
1) サブデバイスがあるときは「受信メールをサーバに残す」にチェックします
 POPでは受信デバイスは一般には 1台ですが、複数のデバイスにPOPを指定することも可能です。そのときは受信サーバの設定で、下図のようにサブデバイスには「サーバーにメッセージのコピーを残す」にチェックします。一方、メインデバイスは「サーバーにメッセージのコピーを残す」にチェックしません。すなわち、メインデバイスが受信したときのみ受信サーバからメールを削除することになります。

2) POPメールは取りに行かなければ届きません
 PCの電源は常時ONになっているわけではないので、電子メールはプロバイダにある受信サーバに留めおかれます。メールはそこまで取りに行くというのが原則です。ただ、Outlookを起動するとPOPでもメールが届きますが、これはOutlookの起動に合わせて「受信」する仕掛けをOutlook にしてあるからです。デフォルトではその後は30分おきに自動受信しますが、急ぐときは意識して「受信」の操作をする必要があります。


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