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地上デジタル放送のチャンネル番号

(2010年03月06日)

 我が家(大阪府枚方市)はテレビ送信所のある生駒山が見える場所にありますが、「eo光net」でインターネット・電話と併せて光TVも契約し、地上デジタル放送を視聴できる環境を整えています。ただ、寝室の小型デジタルテレビには同軸ケーブルが行きにくいので、DXアンテナ社のブースタ内蔵室内アンテナ「US100A」を使っていますが、おおむねOKです。
 今回は地上デジタル放送の周波数と受信チャンネルのことをまとめました。

<テレビの周波数>
 よく使われる電波の周波数を分類すると、およそ次の表のようになっています。従来の地上アナログテレビ放送の周波数は、VHF放送の1ch~12chとUHF放送の13ch~62chという編成になっています。
 2011年7月24日までに現行の地上アナログ放送は終了し、特にVHF放送の1ch~12chはその後テレビ放送以外の用途に使用されます。アナログUHF放送の13ch~62ch(全50チャンネル) は、チャンネル数を減らして地上デジタル放送の周波数として引き続き使用されます。

 

 従来のアナログUHF放送の帯域 13ch~62ch(470MHz~770MHz)のうち、地上デジタル放送では 13ch~52ch470MHz~710MHz)、全40チャンネルを使うことになります。710~770MHzの帯域は、2011年以降は別の用途に使う予定です。
 そして、日本の地上波テレビ放送(地上デジタル放送・地上アナログ放送・ケーブルテレビ)の1チャンネル当たりの帯域幅は6MHz幅(中国や西ヨーロッパでは8MHz幅)になっています。ちなみに、(710-470)÷6=40 と地上デジタル放送のチャンネル数40 になります。

<物理チャンネルとリモコンチャンネル>
 地上デジタル放送では、アナログUHF放送の13ch~52ch のチャンネル番号を、そのまま地上デジタル放送の「物理チャンネル」として使います。アナログUHF放送が使用するチャンネルと、地上デジタル放送が使用するチャンネルとは当分の間は重なりますが、アナログUHF放送は多くの地域で7波ぐらいまで、かなりの数の空きチャンネルがあり不都合はありません。
 そこで、同じチャンネルにならないように地域ごとに調整した上で、使用するチャンネルが決められました。例えば、近畿圏での地上デジタル放送の物理チャンネルは、次の表のように決まっています。

 

 例えば、NHK総合大阪局は24ch に、毎日放送は16ch に移っています。地上デジタル放送のテレビ受信機での選局は、原理的には NHK総合は24ch、毎日放送は16ch と実際の物理チャンネル番号を選択する必要が生じます。

 しかし、これでは視聴者の利便性を損なうため、今までの地上アナログ放送と同様に、リモコンの数字ボタン[1]~[12]でダイレクトに選局できるように、この数字ボタンに放送局を自動的に割り当てる仕組みを考えました。リモコンの[1]~[12]のボタンと放送局の割り付けは、その地域の放送局が電波に乗せて受信機に知らせるようにします。
 一方デジタル受信機の購入者は、使用開始前に都道府県名と郵便番号で地域の初期設定をすれば、受信した周波数の放送を特定のリモコンの番号に割り当てるようになります。BS・CSデジタル放送の場合は、チャンネルプランが全国で同一となるため、受信機側にも固定的に記憶させています。

 地上デジタル放送で放送局が指定するこの番号は、リモコンIDと呼ばれます。リモコンチャンネルリモコン番号などとも呼ばれます。物理チャンネルと区別できる場合は、単にチャンネル番号と呼ぶ場合も多いようです。
 地上デジタル放送のチャンネル番号は、近畿圏では次の表のようになります。表左端の数字がチャンネル番号です。

 

 デジタル化に際して、国はチャンネル番号を統一する努力をしました。NHK総合は1、NHK教育は2、日本テレビ系は4、テレビ朝日系は5、TBS系は6、テレビ東京系とフジテレビ系は8 という具合です。全国でおよそ統一はしていますが、一部地域ではずれるところもあるようです。

<3桁のチャンネル番号>
 近畿圏でテレビ受信機のリモコン番号[1](NHK総合)を選択すると、テレビ画面には[011]が表示されます。同じく、リモコン番号[4](毎日放送)を選択すると、画面には[041]が表示されます。ここで初めの2桁は、「リモコン番号」を表しています。ただ、リモコンの数字ボタン[1]~[12]を、[01]~[12]と2桁で表示しています。

 では、チャンネル番号の3桁目は何を表しているのでしょうか。アナログ放送では1つのチャンネルで、同時に1つの番組しか放送できませんが、デジタル放送では同じチャンネルで最大3つの番組を放送できます。テレビ画面ではこの複数の番組を区別するために、3桁目に「編成チャンネル」と呼ぶ番号を付けて、次のように表示します。
  「リモコン番号(03など)」+「編成チャンネル(1,2または3)」
 3桁目は通常「1」なので、テレビ画面では[011][021][031]・・・のように表示されます。この仕組みを「マルチ編成」といい、3桁目が[1]のチャンネルを各放送局の代表チャンネルといいます。野球放送が時間切れになったとき、[031]でニュースを放送して、[032]で延長になった野球中継を続けるといったことができます。
 ただ、マルチ編成では1チャンネルあたりの帯域幅が狭くなるので、画質はハイビジョン(HD:High Definition)ではなく、現行のアナログ放送と同じ標準画質(SD:Standard Definition)になるのはやむを得ません。

 NHK教育テレビでは、2004年9月よりマルチ編成をはじめています。平日は教育テレビ1(021ch)でアナログ番組と同じ放送を、教育テレビ3(023ch)で過去に放送された番組や、教育テレビならではの福祉、サイエンス、囲碁・将棋、語学、料理・趣味などの番組を、時間限定で放送しています。なお、現在は022ch(サブチャンネル2)は放送がありません。
 日によって、特に夏・冬・春休み期間中などマルチ編成をしない場合もあります。また、高校野球中継時はハイビジョン放送を基本とするためマルチ編成は実施しないようです。
 民放は悩ましいようです。チャンネルを複数の番組に分けると、チャンネル全体の視聴率が上がっても、それぞれの番組の視聴率が下がることが考えられます。制作費に見合った広告収入増になるかわからないので、今のところ消極的だといわれています。

 また、テレビ画面で[011-1]のように、ハイフン(-)の後ろにもう1桁の数字が「枝番」として付くことがあります。県域放送と広域放送の両方が受信できる場合や域外放送を受信できる地域など、3ケタのチャンネル番号だけでは放送局を認識できない場合です。居住地の域内放送の枝番は[0]であり、域外放送の枝番は[1]以降の番号です。
 基本的には枝番[0]の放送局がリモコン番号に割り当てられます。枝番が[1]以降の放送局を選択する方法は、受信機の機種によって異なります。

<テレビ送信所と中継局>
 近畿圏のテレビ送信所は次表のようになっています。近畿圏では、主に大阪と奈良の県境にまたがる生駒山(642m)から放送されています。生駒山の広域局は、NHK総合、NHK教育、毎日、朝日、関西、読売の6局です。
 生駒山の放送エリアは、大阪府全域と奈良県と、神戸市、京都市などの主要都市と近郊の各市町村などです。生駒山からの電波が届かない場合は、周辺の中継局を経由して送信しています。下表は中継局については、その数が多く記していません。

 

 その他の県も独自に送信所を持っており、電波が届かない地域へは周辺の中継局を経由して送信しています。また、サンテレビは神戸の県域放送局ですが、送信所の好立地条件によって大阪市内でも受信できる場合があります。反対に、テレビ大阪は指向性が大阪府内に調整されており、神戸では受信がむづかしいようです。アナログでは京都や奈良で、テレビ大阪や神戸サンテレビが見えましたが、デジタルでは受信できないようです。



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