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OneDriveは Officeなどのデータをクラウド上に保存する Microsoftのストレージサービスで、Windows10から本格的にOSの一部になりました。PCをMicrosoftアカウントで起動すれば、自動的に
5GBのOneDrive がクラウド上に提供され、これと同じOneDriveというフォルダがPC上にも作られます。 そしてクラウド上のOneDrive とPC上のOneDriveのデータが常に同期されます。ただ、OneDrive の操作は難しすぎると「Windows10のOneDriveの扱い」に書きました。本稿を読む前にここも覗いてください。
さらにWindows11では、Officeデータなどをデフォルトで OneDrive上に保存するように仕組みが変わりました。この影響でWindows11では
OfficeデータをPC上の「ドキュメント」に保存したつもりが、クラウド上の「ドキュメント」に保存してしまったり、関連してPC上の「ドキュメント」にあるはずのメールソフトOutlookの「.pst」データ(受信がPOPの場合)がなくなって、Outlookが開かない事象も発生しています。これらはすべてOneDriveの仕業です。
このページでは Windows11になってさらに乱暴になったOneDriveの振る舞いを解析し、これを無効にする方法について述べることにします。OneDriveを無効にしても一般のPC操作にはまったく影響はありません。Windows11にアップグレードしたり、新しくPCを購入したときはPCを立ち上げてすぐ旧データを移行する前に、OneDriveを無効にすることをお奨めします。
<Officeのデータの保存先をPCの「ドキュメント」に促す設定>
Windows10,11で Officeデータの保存先を OneDriveへ促す仕組みは Office の「オプション」にあります。任意のWord文書を開いて、「ファイル」~「オプション」~「保存」で下図になります。下図上が Windows10、下が Windows11を示しています。
下図ではともに「既定でコンピューターに保存する」にチェックがありません。このままでは新しいファイルを作り「名前を付けて保存」するとき、デフォルトでOneDriveに保存するように促されます。ここにチェックを付けて下方の「OK」を押すと、「名前を付けて保存」するとき
PC内に保存するように促します。他の Excel や PowerPoint にも同じ設定をしておきましょう。
さらに、「既定のローカルファイルの保存場所」には、下図上のWindows10に比べて、下図下のWindows11では「¥OneDrive」の記述があることに注目してください。Windows11では「OneDriveへの保存の誘いがよりきつくなっているということです。
<既定のローカルファイルの保存場所を確認する>
まず、Windows11の「既定のローカルファイルの保存場所」を、エクスプローラで確認しておきましょう。下図は「C:ドライブ ~ ユーザー
~ yoshio」と、エクスプロ―ラでたどった先を示しています。左ペインの「ダウンロード・デスクトップ・ドキュメント・ピクチャ・ビデオ・ミュージック」と同じもの、すなわちその実体が右ペインの「yoshio」フォルダにあるはずです。
ところが、「yoshio」フォルダにあるはずの「デスクトップ・ドキュメント・ピクチャ」の 3つが、下図のようにクラウドの「OneDrive」の下に移動してしまっているのです。Windows11の「OneDrive」ではこのフォルダの「自動バックアップ機能」が、PCのセットアップと同時に働く仕組みになっているのです。この3つのフォルダは誰も選んでいないのに勝手に移動してしまっているのです。このことを頭において先に進みます。
<OneDriveのデータを本来あるべきところに戻す>
OneDriveは一般の人にとっては全く無用の長物です。OneDriveへの保存をなくすには、これを無効にするしか方法はありません。しかし、その前に
①本来あるべきところになくなったフォルダを復活する、②OneDriveにあるデータを本来のフォルダに移す、この2つの作業を要します。
ディスプレイの右下の「通知領域」に、右図下方に示す赤枠の OneDriveアイコンがあるときは、OneDriveアプリが働いていることを示しています。このOneDriveから、順次作業を始めます。
(注:OneDriveアイコンは「∧」(隠れているインジケータ)の中に隠れていることもあります)
①本来あるべきところにフォルダを復活する
ここで右図「通知領域」の OneDriveアイコンをクリックすると、その上方に OneDriveの操作画面が現れます。上方右の歯車アイコン
~ その左下の歯車アイコンとクリックすると、「OneDriveの設定」画面になります。
下図上は「OneDriveの設定」画面で、左方の「同期とバックアップ」をクリックした状態を示しています。ここで右方の「バックアップを管理」を押すと、下図下「このPCのフォルダーをバックアップする」画面になります。
上図下は「ドキュメント」「写真(ピクチャ)」「デスクトップ」の 3つのフォルダが、本来あるべき場所「C:ドライブ ~ ユーザー ~ 個人ユーザ名」から、 OneDrive にそっくり移動していることを示しています。(Microsoftは OneDriveに保護しているといっていますが・・・)
上図下で「ドキュメント」のスイッチを選んで、下方の「バックアップの停止」を押します。「写真(ピクチャ)」「デスクトップ」も同じ操作をします。3つのフォルダの「OneDriveへの同期」が外れました。本来あるべき「個人ユーザ名」の下に
3つのフォルダ名が復活しました。
任意のWord文書を開いて、「ファイル」~「オプション」~「保存」にある「既定のローカルファイルの保存場所」に、「¥OneDrive」の用語がなくなっていることを確認しましょう。
②本来のフォルダにOneDriveのデータを移行する
「個人ユーザ名」の下に本来のフォルダが復活しても、この3つのフォルダの中はまだ空っぽです。3つの本来のフォルダの中に、OneDriveのフォルダの中のデータを移しましょう。データの移動にはいろんなやり方がありますが、次にその一つを示します。
OneDriveの1つのフォルダの中をすべて選択して「Ctrl+X」、次に「個人ユーザ名」の同じフォルダを選択して「 Ctrl+V」です。この操作を3回
繰り返すと OneDriveのデータはすべてなくなり、「個人ユーザ名」の下に移ります。