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WordPress:ページ単位のバックアップと復元

(2020年03月02日)

 WordPressのページ作成は直接サーバに触れるので、常に誤操作によるデータの破壊に気をつけなければなりません。データのバックアップはWordPressを使う上での必須事項です。もともと、ダッシュボードの「ツール」メニューにデータのバックアップにも使える「エクスポート/インポート」機能があります。また、プラグイン「All-in-One WP Migration」の「エクスポート/インポート」もバックアップによく使われているようです。
 ただ、これらは「サイト単位のバックアップ」を目的にしています。ネットを探しても投稿などの「ページ単位のバックアップ」の手法は見つかりません。ところが、簡易なページ単位のバックアップ手段がありました。同僚のK氏が見つけてくれました。
 このページではこの「ページ単位のバックアップ」の手法を紹介します。併せて、有名なプラグイン「All-in-One WP Migration」を使う、サイト単位のバックアップと復元についても触れることにします。


<投稿データをページ単位で htmlファイルとして保存と復元>

 WordPressでは 実務者レベルで「ページ単位のバックアップ」ができると便利ですが、そんなツールはネット上には見かけません。ところが、簡易なページ単位のバックアップ手段がありました。プラグイン不要で超便利なバックアップ手段です。
 下図は 新EdgeでWordPress の「投稿一覧」を開き、特定のページのタイトルを右クリックしたときのメニューを示しています。ここで「名前を付けてリンクを保存」をクリックすると、ファイル名の指定を促す「名前を付けて保存」画面が出ます。ファイル名は「post.html」と仮の名前がついていますが、この「post」を任意の名前に変更して 自PCの任意の場所に保存します。これでページのバックアップ操作は終わりです。
)この手順で投稿一覧のタイトルを右クリックしたとき、ブラウザによってそのメニューが異なります。Google Chromeでは「名前を付けてリンク先を保存」、Internet Explorerと旧Edgeでは「対象をファイルに保存」というメニューが出ます。

 注目して欲しいのは 拡張子「.html」です。完全なホームページ形式の htmlファイルです。WordPressではブラウザから要求がある都度、動的にphpプログラムが htmlファイルを生成してブラウザに返送する仕組みでした。WordPressには静的な htmlファイルは存在しません。
 そこで「名前を付けてリンクを保存」の指示で、急遽そのページ全体を htmlファイルにするのでしょう。データ部分はもともとhtml形式になっていますから、データ部分以外の殆どは単にテキストにして全体としてhtmlファイルにするはずです。

 ですから、ページ単位の復元も容易です。自PCに保存した「post.html」をダブルクリックすると、WordPressのダッシュボード形式でブラウザが開きます。そこで「テキスト」モードでデータ部分を選択して、「Ctrl+C」でコピーします。次に、復元用のブラウザをWordPress のダッシュボード形式で開き、「投稿」~「新規追加」で 貼り付け箇所をクリックして、「テキスト」モードで「Ctrl+V」で貼り付けます。これで基本部分は復元しています。
 ただし、①タイトルを追加、②カスタムCSSを指定、③カテゴリーを指定、④日付を変更、⑤ アイキャッチ画像を指定、⑥パーマリンクの確認など、追加記載や確認をする必要があります。最後に「下書き保存」すれば、ページ全体として完全に復元します。(メディアはすべて健在であることが前提です)

<プラグイン All-in-One WP Migration>

◆データのバックアップ-「エクスポート」>
 WordPressにもともとある「エクスポート/インポート」機能は、ネット情報によるとちょっと使いにくいようです。プラグイン「All-in-One WP Migration」の使い方はいたって簡単です。これらプラグインのインストールは、一般にWordPressのダッシュボードの「プラグイン」~「新規追加」から行い、さらに「有効化」して使います。
 ダッシュボードに「All-in-One WP Migration」メニューができたら、その「エクスポート」から下図が現れます。下図の「高度なオプション」でメディアライブラリとデータベースだけを残して、他の項目はすべてチェックを付けます。目的の2つのデータのみをバックアップするということです。

 上図の「高度なオプション」でメディアライブラリとデータベースだけを残して、他の項目はすべてチェックを付けます。目的の2つのデータのみをバックアップするということです。
 準備が整えば「エクスポート先」ボタンを押して、「ファイル」を選択しましょう。左図が現れるので ブヨ ヨ~ン と動き出したところをクリックして、ページ下段に出る「保存」~「名前を付けて保存」から、自PC内の任意の場所を指定して保存します。ファイル名はそのままでいいでしょう。

◆データの復元-「インポート」

 データの復元は「All-in-One WP Migration」メニューの「インポート」から始めます。下図が現れるので、自PC内の保存先(インポート元)のファイルを下図にドラッグ&ドロップすればデータは自動的に復元されます。「インポート元」ボタンから「ファイル」を選択し、保存先(インポート元)のファイルを指定しても同じことです。

 ただ、このように簡単にバックアップと復元ができるプラグインですが、少し注意が必要なことがあります。それはエクスポートした側のサーバにも同じデータがコピーされるので、サーバ内のデータ容量が増えていきサーバに負担がかかる点です。
 正常にバックアップが完了した後に、エクスポート元のサーバをファイルマネージャーで見ると(ftpソフトでも可)、問題のファイルはディレクトリ「ai1wm-backups」の中にあります。下図はその一例ですが、拡張子が「.wpress」の4つのファイルが見えています。こんなバックアップファイルで必要のないものは、速やかに削除しておきましょう。

◆All-in-One WP Migration の「バックアップ」

 「All-in-One WP Migration」メニューの「バックアップ」を押すと下図が現れます。 上図と全く同じバックアップファイル 4つが並んでいます。先に述べたようにエクスポートする度に、こんなファイルが累積されてそのまま残っていくことを示しています。ここからでも必要ファイルのみ残して削除することができます。
 あまり使わないかもしれませんが、必要ファイルがあればいつでもPCへ再ダウンロードすることもできます。

◆インポートファイルの容量を大きくする

 便利な All-in-One WP Migrationですが データをインポート(復元)するとき レンタルサーバによってファイル容量に制限があり、sakuraでは5MBになっています。
 これではちょっと大きなサイトではサイトの復元に無理が出ます。インポート容量を無料で増やす方法はいろいろあるようです。
 URL:https://import.wp-migration.com から上図 Basic のプラグインをダウンロードするのがいいようです。これで512MBに増えました、これ以上必要なときは、有料の無制限版を使いましょう。

<参考:プラグイン「新規下書きとして複製」>

 この「新規下書きとして複製」する機能は、データをバックアップするものではありませんが、ページ作成を容易にしたり、操作ミスも抑えられる便利なプラグインです。右図の赤枠で囲んだものです。
 歩こう会などで写真と文章を変えて、毎月ほぼ同じデザインのホームページを作っているとします。こんなときは「新規下書きとして複製」で先月の複製を作り、写真と文章のみ変えればホームページはあっという間に完了します。
 また、年間を通じて1つのページにして内容を毎月継ぎ足していくような場合も、別途「新規下書きとして複製」で同じものをもう1つ作っておけば、これが臨時のバックアップとなり過去部分をミスって壊しても大丈夫です。さらに、1つのページを大幅に改定するようなときにも、この複製を作るプラグインは便利でしょう。ちなみに、このプラグインは「Duplicate Post」という名で広く使われているようです。


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