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ブログはホームページ?

(2009年08月26日)

 近頃 「ブログとホームページはどう違うの?」とよく聞かれます。そのとき、次のように説明することにしています。 「ブログは原理的にはホームページと同じですが、作り方が異なり超簡単にできてしまいます。その作り方はネット上のWebサーバーにアクセスし、Word文書を書くようなイメージで、ホームページを直接そこに書き込みます。自パソコンで使うソフトは、Webブラウザのみです」
 でも、ピンと来ない、よくわからない、という人が殆どです。理屈など知らなくても、ブログは簡単にできてしまいます。でも、ブログを作った本人も、これがホームページとどう違うかの理屈はわかりません! 私は以下に 「ブログとは何か」を、ホームページを作る現場から説明しようと試みました。

<ホームページを作る難しさ>
 一般にいうホームページを作るということは、自パソコン上で「HTML言語」(注1参照)で書いたテキスト文書(HTMLファイル)を作り、関連する画像などと一緒に、ネット上のWebサーバーにアップロードすることです。そしてホームページを見るということは、ユーザーがWebブラウザを使ってWebサーバーと通信しながら、アップロードされたHTML文書にアクセスすることです。
 概して言えば、ホームページを作ること=HTML文書を作ることで、時間・労力・技術を伴うかなり大変な作業になります。このように直接HTML文書を書くことは一般には難しいので、多くの場合 ホームページ作成ツールを使って間接的にHTML文書を作るのが普通です。
 このホームページ作成ツールとしては、IBM社の「ホームページビルダー」や Adobe社の「Dreamweaver」が広く使われています。こんなツールを使ってもホームページを作ることは、やはりたやすいことではありません。

 さて、ホームページ(Webページ)の構成要素を、大きく 2つに分けることができます。まず一つは、ホームページで発信しようとしている情報の内容、すなわち 「コンテンツ」です。このコンテンツは文字(テキスト)と画像を主体として表現するので、ここでは コンテンツ=テキスト+画像 と考えることにします。
 二つ目は、ページの背景色、文字の大きさやフォント、表組み(テーブル)、画像の配置など 「Webデザイン」に関するものです。Webデザインはホームページのコンテンツを、見やすく、わかりやすく、独自色を表現する切り札になります。

 一般の人がホームページ作成するとき、このコンテンツと Webデザインを区別せず、ゴチャゴチャにして作ることが多いのです。というより難しいことは考えずに、独自性のあるホームページを作ろうとすると、勢いこの2つがゴチャゴチャになってしまうのです。ホームページは作って終わりというものではなく、日々更新していかなければ意味がありません。
 コンテンツと Webデザインがゴチャゴチャになると、ホームページの更新・保守が難しくなってしまいます。この2つをできるだけ区別して、保守のしやすいホームページを作ろうと、アマチュアもプロフェッショナルも日夜努力を続けています。

 こういう背景から、Webデザインに「スタイルシート」(注2参照)と呼ばれる書式を利用することが、「W3C」(注1参照)によって推奨されています。Webデザインにスタイルシートを使うことにより、コンテンツと Webデザインの2つを容易に区別することができるのです。
 ところが、一般のアマチュアにはこのスタイルシートの使用が難しいのです。アマチュアのホームページでは、Webデザインにスタイルシートをまったく使っていないか、あるいは使っていてもごく一部分にしか使っていないのが現状です。
 一方、プロの世界ではWebデザインのほぼすべてを、スタイルシートでデザインしています。というより、プロの人々はスタイルシートを自由に使いこなせないと、プロとはいえない世界に住んでいるのです。これがホームページ制作現場の実情です。

<ブログの出現>
 さて、私のこのホームページを見ているあなたは、プロバイダから利用可能なWebサーバーも提供され、あなたが無料で自分のホームページを持てる環境がすでに整っています。ところがすでに述べたように、一般の人がホームページを持ちネット上に自ら情報を発信するのは、かなり難しいのが現状です。
 自らのホームページを持つには、意欲のある人でもその制作技術を、かなり根を詰めて学ばなければなりません。Word を何とか使える程度のパソコン初心者がホームページを持つなどは、なかなか手の届かない遥かな夢でした。

 こんな状況でブログが登場しました。もともと、ブログは世間一般に興味や関心のある内容を、テキスト(文字)中心に書き綴ったWeb上の「ニュースサイト」として出現しました。 そしてWeb上のコミュニティ形成の手段となり、新たなジャーナリズムの様式として注目されたのがブログの始まりでした。
 Word を何とか使える程度の人でも、自分のホームページを持てるようになったのです。ホームページはコンテンツと Webデザインの2つの要素からからできていますが、難しいWebデザインの部分は専門企業に任せて、一般の人はコンテンツのみを書くようにしました。ホームページ制作の分業化です。こうしてできたホームページがブログなのです。

 数年前から大手プロバイダやポータルサイトなどの業者(専門企業)が、独自のブログサービスの提供を始めました。業者はブログを置く物理的なWebサーバーを提供し、かつこのサーバー上にブログ作成ツールも提供します。さらに業者はコンテンツと Webデザインを明確に区別し、Webデザイン部分を完全にサポートします。残るはコンテンツのみです。
 コンテンツとはホームページのテキストと画像のことです。Wordで画像を含めた文章を書くイメージでホームページができてしまいます。ブログを作る人は、自パソコン上で Internet Explorer などの Webブラウザを使って、ネット上のWebサーバーに自由にコンテンツを書き込むだけです。
 業者のサイトに登録さえすれば、ブログは思い立ったそのときから、無料で誰でも容易にすぐ始められます。

<ブログの定義>
 しかし、ブログを技術面からみると、HTML言語で書かれた一般のホームページと全く同じ原理でできています。ブログの作成手順は、ブログ制作者が書いたコンテンツと、業者がスタイルシートとして提供するWebデザインを、それぞれ個別にWebサーバーのデータベースへ格納します。そして、公開のタイミングでこのコンテンツとスタイルシートからホームページをHTMLファイルとして自動生成するシステムです。
 このようにコンテンツと Webデザインの2つの要素を明確に区別し、かつそれぞれの要素の制作を分業してできた、ホームページの究極の姿がブログシステムであるといえます。

 さて、業者(専門企業)はWebデザインをスタイルシートとして提供しますが、デザインの種類はそう多くありません。ブログを作ろうとする人は、その中からこれぞと思うデザインを選択します。若干のカスタマイズができる場合もありますが、いかんせんWebデザインが画一的になるのはやむを得ません。
 しかも、一度そのデザインを選ぶと、デザインの変更は容易ではありません。一般にはそのWebデザインを使い続けることになります。このようなブログ作成の基本原理から、Webデザインは単純な日付順の日記風にならざるを得ないという一面があります。
 巷では ブログ=Web日記 ともいわれていますし、そんな一面もあります。しかし、ネット上に氾濫するブログからはそのように見えますが、ブログを作る側からの技術的な説明にはなっていません。

<ブログ作成ツールの変遷>
 繰り返し述べますが、いままで説明したブログは専門業者の作ったスタイルシートの中から、一つのWebデザインを前もって決めておき、コンテンツの作成・更新作業のみでホームページを作ります。
 さて、ブログ作成ツールには、ホスティング型とサーバインストール型があります。業者のブログサーバーに登録しさえすれば即使えるようなブログをホスティング型といい、現在のほとんどの個人ブログはこれを利用しています。ブログ作成ツールは業者が提供します。

 こんな日記風のブログから、本格的なホームページの形態に近いページを目指す試みも始まっています。企業や個人がレンタルサーバーや自宅サーバーなどにブログ作成ソフトをインストールして、独自のブログ作成環境を作ることです。つまり、業者任せでなくブログ作成ツールを自前で持つのです。
 この自前のブログ作成ツールで作ったものがサーバーインストール型のブログです。サーバーインストール型のブログ作成ソフトとしては、「MovableType」と「WordPress」が市場を2分しています。これらのソフトの使用は、無料になっています。
 MovableTypeやWordPress は、Webデザインのためのスタイルシートをかなり自由に操作できるので、ホスティング型のブログに比べて格段にカスタマイズ性の高いブログを作成できます。一般のホームページにかなり近いものが作れます。ただ、HTML言語とスタイルシートの書式をある程度学ぶ必要があるなど、一般の人にとってことはそう簡単ではありません。

 このサーバーインストール型ブログの高いカスタマイズ性に注目した動きがあります。中小企業へのホームページ作成のサポートをビジネスにしようと、IT業界ではビジネス用途への適用の試みを始めました。サーバーインストール型ブログを中小企業向けなどのホームページにカスタマイズして提供するIT業者の出現です。
 これに呼応して、経済的に本格的なホームページを持てない中小企業が、サーバーインストール型ブログをカスタマイズして、独自ホームページにする流れも出てきました。初回のカスタマイズのときのみ、専門業者に制作を依頼するのです。後はコンテンツ(テキストと画像)の更新作業だけですからこれは自社でできます。企業が本格的なホームページを持ち、更新を続けていくには多くの経費を必要としますが、これなら費用はそうかかりません。
 また、個人でもレンタルサーバーを借りてサーバーインストール型ブログを作り、独自性の高い情報を発信しているアマチュアも増えてきました。

 しかし、サーバーインストール型ブログといえども、一般のホームページほど自由で独自性のあるWebデザインにすることはできませんが、近頃いろんなホームページを見ていると、ブログ特有のカレンダーや投稿の日付けなどを省略して、一般のホームページ風にしたブログサイトを見かけるようになりました。
 事実、MovableTypeWordPressで作ったものか、一般のホームページかの見分けが簡単にはできないものも存在します。ブログとホームページの作り方にはかなりの違いがありますが、できた結果は同じHTML文書です。ブログかホームページかは、閲覧者には関係のない話ですからそれでいいわけです。

(注1)HTML言語とW3C
 HTML(HyperText Markup Language)は、ホームページ(Webページ)を記述するための言語で、W3C(World Wide Web Consortium:WWW技術の標準化団体)が規格を作成しています。HTML はテキスト文書の論理構造や Webデザイン(見栄え)などを記述することができますが、WebデザインはCSSでするのが大きな流れです。
 HTML は本来文書の論理構造を記述する言語でしたが、Webブラウザのメーカーによる度重なる拡張の結果、単なる見栄えを記述する機能が大量に取り込まれました。そこで、HTML4.0では文書の論理構造を記述するという本来の目的に立ち返り、Webデザインの記述はCSSを使って行なうように改められました。 ただ、この規格通りにホームページを作るのは、アマチュアには難しい現実があります。

(注2)スタイルシートCSS:Cascading Style Sheets)
 CSSは ホームページ(Webページ)の制作において、ページの背景色、文字の大きさやフォント、段落やセンターリング、表組み(テーブル)、画像の配置など、ページのデザイン(見栄え)に関する設定を行う書式です。ホームページはHTML言語によって記述されますが、コンテンツとWebデザインを区別せず、ゴチャゴチャ作ることが一般的に行われています。Webデザインの部分もHTMLで書くことができるのです。
 しかし、HTML は構造化言語で、本来テキスト文書の論理的な構造を記述するものであり、色やフォントサイズ、レイアウトのためのテーブルなど、Webデザインを設定するにはCSSを利用しよう、というのがWWWの標準化を行っているW3C の考え方です。



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