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ディスプレイの解像度と文字の大きさ(OSの解像度)

(2005年06月27日)

 パソコンを利用している人が、多少なりとも避けて通れない専門用語に「解像度」があります。解像度は1インチ(25.4mm)当たりのドット数をいい、単位は「dpi」(dot per inch)で表します。
 ところが何故か、ディスプレイのスペックだけは、800×600、1024×768、1280×1024といった、ディスプレイ上に表示できる最大のドット数を、解像度という習慣が定着してしまいました。これは「最大表示ドット数」 「最大表示画素数」などと呼ぶのが適当でしょう。

 私のパソコンFujitsu FMV-NB40Sのディスプレイは、斜め寸法15インチ、1024×768ドット、横・縦・斜めの比は4:3:5ですから、定義通りのdpi を計算すると以下のようになります。
  横:1024÷(15/5×4)=85.3dpi 、縦: 768÷(15/5×3)=85.3dpi
 一般のディスプレイでその寸法(斜めインチ寸法)から、幅と高さ寸法を計算して、さらに本来の解像度に換算すると、その値は 「100dpi」 前後のものが多いようです。

<文字を大きく表示する>
 ところが、近頃のディスプレイはどんどん高解像度になり、110~120dpi ぐらいにもなってきました。そうなると、ディスプレイ上の画像や文字はきめ細かくなりますが、表示の大きさは小さくなります。こんな高解像度のディスプレイをそのまま使って、視神経を必要以上に酷使しては、折角の高精度ディスプレイがアダになってしまいます。

 文字を大きく表示するには、次の2つの方法があります。WindowsXPの画面で説明します。下図はWindowsXPデスクトップ画面の何もないところを右クリック~「プロパティ」~「画面のプロパティ」を開いたところです。

 

1.擬似的に「画面の解像度」を下げる(ここでいう解像度は、最大表示ドット数のことです)
 「画面のプロパティ」~「設定」タブで、例えばディスプレイの持つ最大表示画素数を1280×1024とすると、この値を見かけ上 1024×768 などと小さくします。
 この設定は、文字と画像をバランスよく大きく表示できますが、本来ディスプレイの持つ高解像度を殺すわけで、若干表示がぼやけてくるのは仕方ありません。

2.画面の「DPI設定」を大きくする
 「画面のプロパティ」~「設定」タブ~「詳細設定」をクリック、「全般」タブの「DPI設定」ボックスを、「通常のサイズ(96DPI)」から、「大きなサイズ(120DPI)」に変更します。「カスタム設定」でルーラーを左右にドラッグして、任意の値に設定することもできます。ブラウザで文字の大きさを、大・中・小などに設定することは、間接的にこの操作をしていることになります。
 この設定の変更は、「OSの解像度」を変更することを意味します。従って、ディスプレイの高解像度はそのまま生かし、文字を大きく表示(画像の大きさは変わりません)することができます。ただし、DPI値を大きくしすぎると、次のような問題点も出てきます。
 ①文字が標準値(96DPI)から相対的に大きくなり、文字と画像のバランスが崩れることがある。
 ②高解像度(=ドット間の距離が小さい)のディスプレイで文字を大きくすると、肉質の細い(Boldの逆)ひ弱な書体になってしまう。

<OSの解像度>
 OS(基本ソフト)の解像度は、Windowsでは96dpi、Macでは72dpiです、ということを聞いたことはありませんか。OSの解像度? 不思議(直感的には意味不明)な表現ですが、要はOSが想定しているディスプレイの解像度です。
 もう少し説明しますと、OS(というプログラム)を作るとき、ディスプレイの解像度を仮定しなければプログラミングは始まりません。印刷物の文字や画像の大きさが定まらないのです。このOSが想定する解像度が、Windows では96dpi、Mac では72dpi、ということです。

 ここで、少しフォントサイズの話をします。フォントの単位は「pt」(ポイント)です。1pt=1/72インチですから、 72pt の文字は 1インチの大きさです。そして、Macがパソコンの開発を始めた頃は、ディスプレイの実解像度は72dpi 程度でした。Mac OSを72dpi 運用にすると、1pt=1/72インチ、72pt=1インチ=72ドットですから、つまり 1pt=1ドット であるという利便性がありました。  
 MacとWindowsで 解像度72dpi の同一ディスプレイを使い、72pt (1インチ) の文字を表示したとします。Macでは 1pt=1ドット ですから、 72pt=72ドット、つまり 1インチの大きさになります。Windowsでは通常 96dpi 運用なので、同じ72pt (1インチ) の文字が 96 ドット、つまり 96/72=4/3インチ の大きさになります。即ち、同じ pt 数の文字でも Windowsでは Macより大きく見える、というカラクリがここにあります。

 さて、近頃のディスプレイの解像度は110~120 dpi ぐらいにもなり、OSの解像度(Windowsでは96dpi)と一致しなくなってきました。ディスプレイ上の画像や文字はきめ細かくなりましたが、反面文字の大きさは小さく表示されますから、大きい文字で見たいという欲求が出てきます。
 先に、文字を大きくするには画面の「DPI設定」を大きく設定するといいました。この「DPI設定」の「DPI」は、OSが想定するディスプレイの解像度(OSの解像度)のことです。この設定で文字が大きくなる理屈は、 「Windowsの方が Macより大きく見える」 という話のアナロジーで説明がつきます。つまり、DPI設定を 96dpi→120dpi にすると、ディスプレイの高解像度を生かしたまま、文字が大きく表示されるということになります。



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