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e-Tax の操作は 1~2分で終ります!

(2023年03月15日)

 国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、作成した申告書を提出するのに「マイナンバーカード」(以降マイナカードと略称します)を、PCにつないだ「ICカードリーダライタ」で読み取る e-Tax を長い間 推進してきました。ただ、この「ICカードリーダライタ」の扱いがかなり面倒で、e-Tax の普及の妨げになっていました。
 ここにきて、2022年度(2021年度申告分)からは、マイナカードの読み取りにスマホによる「QRコード認証」が考案され、e-Tax の操作がずいぶん容易になりました。これで従来のマイナカードを ICカードリーダライタで読み取る方式は過去のものとなりました。
 これにより申告書等作成コーナーの申告書の実質的な提出方法は、次項の表に示す3つになります。ここでいう e-Tax とは、QRコード認証によるネット上のコンピュータへのログインと、データのネット経由の送信に付けたネット操作の愛称です。これが e-Tax の本質で操作時間は 1~2分で終ります。コンピュータ利用は「印刷して提出」と同じですが、これに e-Tax 操作を加えたものを国税庁では「スマートフォンを使用して e-Tax」と呼んでいます。
 このページでは e-Tax の仕組みだけに焦点を当ててまとめてみました。3月15日で確定申告は終わりますが、以降は還付申告として5年前にさかのぼって提出できます。ぜひ e-Tax に挑戦してみてください。

<申告書提出方法の特徴>

 国税庁の確定申告書等作成コーナーの3つの提出方法の特徴をまとめてみます。

マイナカード方式(QRコード認証):
 PCに表示されたQRコードをスマホで読み取り、さらにマイナカードをスマホで読み取る方式です。2022年度から新しく採用された方式で、マイナカードの扱いが便利になりました。
ID/PW方式:
 マイナカードのない人が取得するまでの暫定的な方法です。マイナカードを持っている人でも利用可能ですが、ID/PW方式では便利なマイナカードの持ち腐れです。
印刷して提出方式:
 確定申告書等作成コーナーを初めて利用する人は、国税庁のコンピュータを計算だけに使うのも便利です。ただ、次の年度からは操作が容易になった e-Tax に移行しましょう。

< e-Tax の意味>

 e-Tax とは、ネット経由の確定申告書の提出につけたニックネームです。そのためネット上の国税庁のコンピュータと所管税務署のコンピュータにログインしなければなりません。すなわち 個人認証が必要になります。
 これらのコンピュータにログインするには「ID/PW」が必要です。この IDに相当するのが「マイナンバーカード」であり、PWに相当するのがマイナンバーカードを取得したときに設定した「暗証番号」です。そして ID/PWの入力に相当する操作が、スマホによるマイナンバーカードの読み取りであり、これを「QRコード認証」といいます。このように e-Tax の実態はネット上のコンピュータにログインすること、すなわち QRコード認証という個人認証です。

 e-Tax による確定申告では、コンピュータにログインする機会が2度あります。最初は国税庁のコンピュータに入り、収入・所得・税の計算をします。次に、所管税務署のコンピュータに入り、計算結果をネットを通じて送信します。上表の赤枠で囲んだ国税庁と税務署のコンピュータへQRコード認証でログインし、ネット経由で結果を提出する操作が e-Tax です。
 一方、上表の青枠で囲んだ入力と税の計算は、いずれの提出方法も同じように国税庁のコンピュータを使っていますが、この操作は e-Tax の定義に含まれません。多くの人は e-Tax という英単語に惑わされて、「e-Tax は難しい」と勝手に思い込んでいるふしがあります。 e-Tax の操作はやってみれば簡単で、1~2分ほどで終わってしまいます。

(注1)e-Tax は確定申告書をネット経由で提出する操作につけた名前ですから、上表の「ID/PW」方式でログインする場合や、確定申告の期間中に税務署に入力資料を持ち込んで署のネットを使って申告書を作る場合も、広義に e-Tax として統計されるようです。
(注2)「印刷して提出」する場合は、国税庁のコンピュータにログイン操作をしなくても、自動的にログインできてしまいます。ただ、「e-Tax」の場合は計算だけでなく「マイナポータル連携」などで、国税庁のコンピュータに深くかかわることになり ログイン操作が必要になります。

<国税庁のコンピュータにログイン>

◇PC画面のQRコードを読み取る
 PC画面で『マイナカード方式(QRコード認証)』の操作を続けます。下図上の「マイナポータルアプリでQRコードを読み取ります」の表示が出たところから、国税庁のコンピュータにログインする操作が始まります。
 下図 PCの文面指示に従って スマホで操作を始めます。スマホの「マイナポータルアプリを起動」~「QRコード読取」アイコンをタップ とします。

 次に、スマホのカメラでPCに表示されている「QRコード」を読み取ります。操作が遅れて「QRコード」の下に「更新」ボタンが出たときは、これをクリックしてからPC画面の「QRコード」を読み取ります。

◇スマホでマイナカードを読み取る
 ここでスマホ画面は下図左になり、マイナカードを読み取る準備を始めます。下図左の赤枠内にマイナカードを取得したときに設定した、「利用者証明用電子証明書」の暗証番号(数値4桁)を入力して「次へ」をクリックします。スマホ画面には下図右のように「スマホで読み取る」旨のメッセージが出るので、ここでマイナカードを読み取ります。
 このスマホによる「PC画面のQRコードを読み取る」~「マイナカードを読み取る」という、一連の操作をスマホの「QRコード認証」と呼びます。

◇マイナカード読み取りの注意事項
 マイナカードをスマホで読み取る前に、外ケースを外すと精度が上がります。カードとスマホの位置関係がメーカーや機種により異なるようですが、多くの場合その関係は右図のようになります。
 すなわち、マイナカードの表面を手前に向けて置き、さらにスマホを表示面を手前にして、その上端をカードの写真の上端に一致させて、カードの左右中央に置きます。
 これで多くの場合読み取りOKになりますが、Androidでは難しいこともあるようです。そのときは「Grafferのページ」を参照してください。

 「読み取り完了」画面が表示されたら「次へ」をクリックします。以上の操作で国税庁のコンピュータにログインすることができました。以降、収入・所得・税額の計算に入ります。


<税務署のコンピュータにログイン>

 収入・所得・税額の計算が終わり「あなたの還付金額は 〇〇〇〇円 です」の表示が出れば、国税庁のコンピュータ利用は終わりです。
 「マイナンバーの入力」のページに続き、「申告書に添付するデータ(xmlデータ)の送信」のページが出たら、所管税務署のコンピュータにログインする操作が始まります。ここで「マイナンバーカード認証方法の変更」を下図のように「QRコード」を指定します。


◇スマホで「PC画面のQRコード読み取り」と「マイナカードの読み取り」
 次の画面が出ると所管税務署のコンピュータへのログイン操作を始めます。


 この税務署のコンピュータへのログイン操作は、国税庁のコンピュータへのログインと考え方は同じです。スマホで上図の「PC画面のQRコード読み取り」に続けて「マイナカードの読み取り」の連続操作を2回続けます。
 1回目は「署名用電子証明書」の暗証番号(数値6桁以上)を使用し、「電子データが改ざんされていない」ことを証明します。この操作はコンピュータの記憶させておき、次回申告から入力が不要になります。ちなみに、この操作は国税庁のコンピュータへのログインでは不要でした。
 続けて、2回目は「利用者証明用電子証明書」の暗証番号(数値4桁)を使用し、「ログインしたのが本人である」ことを証明します。次回申告からは税務署のコンピュータへのログインはこの操作だけになります。
 以上の操作で所管税務署のコンピュータへのログインは終了しました。

◇ e-Tax 送信
 「マイナンバーカードの読み取りが完了しました」と出たら、右下の「送信する」ボタンをクリックします。次の確認画面で「送信を実行する」ボタンをクリックすると、確定申告書データが所管税務署に送信されます。
 下図「正常に送信が完了しました。」のメッセージが出れば操作は全て終わりです。


<マイナポータルで「e-Tax」の練習をしましょう>

  e-Tax の操作はネット上のコンピュータへのログインであることを学んできました。市役所でマイナンバーカードをもらうと、その人専用の「マイナポータル」というページが作成されます。そのURLは「https://myna.go.jp」です。
 PCのURL画面(マイナポータル)を下記に示します。ここから各人の専用ページに入ることになります。それには、下図右上の「ログイン」ボタンを押します。ここから先は e-Tax で国税庁のコンピュータにログインする操作とまったく同じ「QRコード認証」の操作です。ログインすると「ログイン」ボタンは「ログイン中」に変わります。「ログアウト」するときは「ログイン中」ボタンから始めます。
 この練習をすると、ログイン操作は 1分ぐらいで終ることが分かります。確定申告の e-Tax はこのネーミングに惑わされて、何も考えずに「e-Tax は難しい」と多くの人が思っています。マイナポータルへのログインで、難しいネーミングの e-Tax の本質を理解できます。



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