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新Microsoft Edge(Chromium Edge)

(2020年08月30日)

 Microsoftは2020年1月15日、数10年の永きに亘って使われてきたブラウザ「Internet Explorer」と、その後継として注力してきた「Microsoft Edge」に別れを告げ、オープンソースプロジェクトの「Chromium」ベースのエンジンに置き換え、新しく「Chromium Edge」として再出発することにしました。上図左が旧Edge、右が新Edgeのそれぞれのシンボルマークです。
 「新Microsoft Edge」が「Chromium Edge」になったいきさつや、今後の各社のブラウザ対応がどうなるのかなど、少しばかりネット情報を探ってみました。ついでにブラウザの仕組みの概要についても調べてみました。

<ブラウザ利用の現状>
 主要なブラウザのシェアを見ていきましょう。日本国内では Internet Explorer(IE)が比較的高く、人気のChromeもその分抑えられています。それに対し海外ではChromeがきわめて高いシェアを誇っており、なおもシェアは伸び続けています。
 国内の推移を見ると2018年に大きな変化があり、その6月には国内のChromeは50%を超えました。それに対してInternet Explorerのシェアが急落し20%を切ってしまいました。Firefox のシェアも10%にまで落ち込みました。Chromeはその11月には58%を超え60%に迫り、一方では Internet Explorerは減少傾向が続いています。
 海外では2018年に入るとFirefoxが下落し、代わってEdgeとOperaがじわじわ伸びています。そして11月にはChromeのシェアが70%にもなりました。
(注)下図で単にEdgeは新Edge、Edge Legacyは旧Edgeのことです 。


<Chromium Edge公開の経緯>
 新しいMicrosoft Edge(Chromium Edge)は、2020年1月15日よりMicrosoftの公式ページからすでにダウンロードできましたが、この7月30日からは「Windows Update」による本格的な配信が始まりました。Windows Updateで自動更新が有効(既定は有効)になっていれば、今後数か月の間に新しいMicrosoft Edgeに入れ替わることになります。
 今後はChromium Edgeが 正式なMicrosoft Edge(以降 新Edgeと呼びます)で、旧Edgeは「レガシー」という扱いになります。この更新は一方向的で、新Edgeにいったん移行したら、旧Edgeに戻る手段はないようです。ただ、「お気に入り」や「Cookie」などのデータは、新Edgeに自動で引き継がれます。
 MicrosoftがGoogleのオープンソースのエンジンを受け入れるという決定は、最近のオープンソース標準がいかに受け入れられているかを示す例でもあります。Microsoftにすれば今後パソコンを買って最初に立ち上げるブラウザが新Edgeとなり、長い目で見ると新Edgeが最もシェアの高いブラウザになる可能性はあるかもしれません。

 ここからは、新Edgeがオープンソースプロジェクトの「Chromium」をベースにしている、といわれますがその意味を見ていきます。
◇オープンソース
 オープンソースプロジェクトとは、プログラムのソース(source)を公開(open)して、皆んな一緒になって新しいものを作る活動(project)です。オープンソースの管理団体「オープンソース・イニシアティブ(Open Source Initiative)」は、オープンソースの定義をしています。それはソースコードを商用・非商用の目的を問わず利用・修正・頒布することを許し、それを利用する個人や団体の努力や利益を遮ることがないことを求めています。
 ただ、利用条件などが一切ないわけではなく、「オープンソースライセンス」と総称される利用許諾契約に基いて公開されています。著名なライセンスにはフリーソフト紹介ページでよく見かけるGPL(General Public License)や、BSDライセンス、Apacheライセンス、Mozillaライセンスなどがあります。

◇Chromium
 Chromium(クロミウム)は、GoogleのWebブラウザのオープンソースプロジェクトです。Chromiumプロジェクトの名前の由来は金属元素のクロム(chromium)で、クロムめっきした金属を英語で「chrome」と呼ぶことからきています。GoogleはChromiumをオープンソースプロジェクトの名称とし、これをベースとして作ったブラウザの名称を「Chrome」にしました。
 このようにChromiumプロジェクトの開発の成果が、Chromeのリリースに繋がっているのです。ちなみに、スマホ用OS「Android」もGoogleのオープンソースプロジェクトの一つです。


<検索エンジンの現状>
 最後に同じエンジンでも情報の検索エンジンの話です。まず、日本および世界における検索エンジンの現状を調べてみました。
 下図のように日本で利用されている検索エンジンは、GoogleとYahoo!で9割以上を締めています。世界ではGoogleのシェアは 、PCで8割以上、モバイルで9割以上にもなっています。中国(Baidu:百度)とロシア(YANDEX RU)を除くと、他のすべての国でPCもモバイルもGoogle一強の構図が進んでいます。

 こんな中で、Microsoft が新Edgeで採用した既定の検索エンジンは、当然ながら引き続き自社が提供する検索エンジン「Bing」です。必要なら検索エンジンは設定変更することもできます。
 新Edgeで既定のエンジンBingを、他のエンジンに変更する手順をご紹介します。新Edgeで画面右上の「・・・」(3点マーク)~「設定」をクリック、下図で「プライバシー、検索、サービス」~「アドレスバーと検索」をクリックします。

 現れる画面の「アドレス バーで使用する検索エンジン」の項目で、「Bing(推奨、既定値)」をクリックします。右図のようなドロップダウンリストから、「Yahoo!」や「Google」などに設定変更することができます。



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