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確定申告は国税庁のコンピュータ利用がお奨め

(2012年01月15日)

 今年も恒例の所得税の確定申告の時期が近づいてきました。所得税の申告期間は例年通り、2月16日(木)~3月15日(木)の1ケ月間です。税務署にはパソコンが数10台並んだ「相談コーナー」が開設され、係員に手伝ってもらいながら確定申告書の作成ができます。
 ここでは所得や控除等の計算と納税額の確定は、すべてパソコンにつながった国税庁のコンピュータがやってくれます。コンピュータの計算結果をプリンタで印刷すれば、持参した印鑑を押してその場で提出できます。ただ、例年のことですが、大勢の利用者がいてかなり混雑しています。
 本稿はこの国税庁のコンピュータを利用して計算し確定申告書を印刷するまでを、自宅パソコンですることをお奨めする内容です。パソコンがある程度扱えるなら、この操作は十分一人でできます。印刷した確定申告書は、添付書類と共に税務署に持参(または郵送)しましょう。
 税務署では提出された紙データを、いずれコンピュータに入力しなければ事務処理ができません。この入力の手間を省くため?国税庁は盛んに e-Tax(電子申告)の利用を奨めていますが、煩雑すぎて私はお奨めしません。

<400万円以下の年金生活者は確定申告不要>
 今年から(平成23年分以後)、400万円以下の年金生活者は確定申告の提出が不要になりました。確定申告は原則個人単位ですから、年金生活の夫婦2人の場合もそれぞれに適用されます。国税庁のページ「申告書の提出が必要な方」から、下記にその内容をコピーしました。

 

 年金収入が400万円以下の人でも、医療費控除などで還付がある場合に備えて計算だけはしておいた方がよさそうです。一般に確定申告をする必要のない人でも、納め過ぎがあれば確定申告をすることによってその税額が還付されます。この申告を還付申告といいます。
 所得税の確定申告書を提出すれば、税務署から市役所等にそのデータが送信されるので、改めて住民税の申告をする必要はありません。ただ、確定申告をする必要のない人でも、市民税の申告は必要な場合もあるようです。

<確定申告と還付申告の期間>
 所得税の確定申告期間は例年、2月16日~3月15日の1ケ月間と決まっています。一方、還付申告は確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間することができます。
 私の居住する枚方市の広報によると、メセナ枚方会館で2月1日~15日の間(確定申告の前日まで)、還付申告書を作る専用会場が設置され、申告書の作成と提出ができます。枚方税務署にTELで聞きますと、同署内でも2月1日からは確定申告も含めた本格的な相談体制に入るようです。係員に教わりながらパソコンにつながった国税庁のコンピュータで計算して、その場で確定申告(還付申告も含む)ができます。

 還付申告も内容は確定申告と同じですから、2月1日から年金生活者やサラリーマンなど個人の確定申告書も受け付けるそうです。形式上は前以て仮受け付けして、2月16日に正式に受け付けたことになるようです。申告に必要な年金の源泉徴収票などの資料が1月中に送られて来るので、2月16日からの確定申告期間に混雑しないようにこんな日程にしているのでしょう。他の税務署も概ね同じだと思います。
 ちなみに、国税庁のコンピュータは平成23年分の確定申告ができるように、平成24年の年初よりホームページの準備は整っています。なお、自営業など個人事業者の確定申告は、決まり通り2月16日からになります。

<税務署の相談コーナー>
 私は確定申告が必要になった10数年前は、下図のような税務署からもらった「所得税の確定申告の手引き」を見ながら、電卓で計算して税額表をめくって手書きの確定申告書を作成していました。手引きを見ながら手作業で確定申告書を作るのは、わずらわしい上に難しい専門用語に悩まされ骨が折れるものでした。

 

 そんなことで税務署の「相談コーナー」を訪れ、係員に手伝ってもらいながらパソコンで確定申告書を作成する人が多いのでしょう。そのパソコンの先には東京の国税庁にある大型コンピュータがつながっており、そこで計算して確定申告書を作っているという具体的な仕組みは、多くの人はご存じない?
 コンピュータでの計算結果は備え付けのプリンタで印刷し、持参した印鑑を押してその場で提出できます。( e-Tax でない電子的な納税もできるようです) ただ、大勢の利用者がいて待ち時間が長かったり、必要書類の一部の持参を忘れたりすると大変です。

 年金生活者など個人が相談コーナーに持参するものは以下のようなものです。上からの3項目は原本添付を要するため、必要ならコピーをしておいてください。
・「公的年金等源泉徴収票」など、収入や源泉徴収額などのわかる書類
・「生命保険料控除証明書」など、控除に関わる書類
・医療費など控除の対象となる金額をまとめたもの
・印鑑(認印で可)
・還付金がある場合のための銀行口座番号

<確定申告書作成のトップページ>
 年金生活の私は3年前までの約10年間は、自宅のパソコンからインターネット経由で国税庁のコンピュータを使って計算し、プリンタで印刷した確定申告書を税務署に持参してきました。税務署の相談コーナーで申告書を作成する方法と同じことを家でやってきたわけです。
 以下の説明は、自宅パソコンから国税庁のコンピュータを使って所得税の確定申告書を作成する方法です。ただ、計算結果を自宅のプリンタで印刷して、添付書類と共に税務署まで持参(または郵送)しなければなりません。印刷後の手続きは手書き申告書の場合と変わりませんが、各種計算と作成は格段に容易です。

 国税庁のトップページの「平成23年分 確定申告特集」をクリック~「申告書等の作成を開始される方」をクリック、すると下図のような「平成23年分の作成コーナー(トップ画面)」のページが表示されます。このページはすべての申告書の作成のトップページとなります。「お気に入り」に登録しておきましょう。

 

 確定申告書の作成を始めるには、上図の「作成開始」をクリックしてウィザード(画面案内)に従って手順を進めることになります。また、作成作業を途中で中断したときに「作成再開」から再開するなど、すべての申告書作成の出発ページです。

<事前準備>
 上図で「作成開始」をクリックすると、下図のような申告書の提出を「書面提出」にするか、「e-Tax」にするかの画面が出てきます。国税庁のコンピュータを利用する所得税の確定申告には、提出方法によりこの2つの方法があります。
 私の奨める方法は、計算結果を印刷して「書面提出」する方法です。ここでは「書面提出」を選択します。

 

 上図の上段部分を見ると、この画面は「事前準備」の「提出方法選択」の段階であることがわかります。次の「環境確認等」では各項目をチェックして、「テストデータの表示」をクリックしてください。表示される画面はテスト画面ですので確認後は閉じてください。「作成コーナー選択」では、「所得税の確定申告書作成コーナー → 所得税の確定申告書を作成」を選択します。

 各段階の画面最下段には「入力終了(次へ)」ボタンと「戻る」ボタンがあります。「入力終了(次へ)」ボタンは入力がなくても、単に「次へ」ボタンの意と解釈して進みます。前の戻る場合は「戻る」ボタンを押します。
 このように「次へ」や「戻る」ボタンを使って画面操作を順次を進める方法を、一般にウィザード(画面案内)といいます。国税庁のホームページから申告する場合は、自宅で印刷して持参するときもe-Tax で送信するときも、このウィザード方式を使います。
 なお、通常のブラウザ操作では画面上段左端にある「戻る」ボタン(ヒストリバック)を使いますが、ここではこれが使えませんので注意してください。

(注)ウィザード(wizard)
 ウィザードは本来魔術師、魔法使いの意ですが、ユーザーに必要な情報を適宜示し、ボタン操作しながら対話形式で進めるよう工夫されたソフトウエアの機能をいいます。

<確定申告書の作成>
 いよいよ「申告書等の作成」の段階に入ります。最初の「申告書選択」画面では、年金生活者は「左記に該当しない方」を選択します。「申告書の作成をはじめる前に」画面で、提出方法を改めて選択し、生年月日を入力します。
 次に下図のような「所得・所得控除等入力」画面が現れます。国税庁のコンピュータを利用した確定申告書の作成作業の90% 以上はこの画面での作業になります。
(下図は全体画面を縮小表示してあり、実際の入力のための表の大部分は隠れています)

 

 基本的なデータ入力は上図にあるように、次のように操作します。
・入力したい項目の名称をクリックすると、それぞれの項目に関する入力画面が表示されるので、説明に従って入力する。
・当てはまる項目への入力が終了したら、入力内容を確認して画面下段の「入力終了(次へ)」ボタンをクリックする。

 実際のデータ入力は、前年度の提出データの「控え」を見ながら入力するのがいいでしょう。この方法で毎年提出している人は、申告書作成のトップページ「平成23年分の作成コーナー(トップ画面)」の「22,21年分のデータ利用」から始めると簡単です。
 私は収入が年金のみですから、この申告書の作成はアッという間に終わってしまいます。初めての人は、「趣味のぱそこん」に非常に詳しい手順の説明があり参考になります。

<税額計算方法の概要>
 確定申告における用語は日常使う一般用語とは若干違った意味に使われるので、それらの専門用語をまず簡単に確認しておきましょう。
収入:一般用語と同じ意味で、税金、各種引き落としなどを差し引かれる前の金額。
所得:一般には収入と同じ意味に使うことが多いが、法では収入から必要経費(または相当額)を差し引いた金額。給与や公的年金など所得ごとに計算式が法で定められている。
所得控除:社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、基礎控除、医療費控除、寄附金控除など、所得から差し引かれる金額。各控除ごとに控除額が法で定められている。
課税される所得(課税所得):所得から所得控除を差し引いた金額で、この額に対して課税される。
源泉徴収:給与や年金などを支払う際に、前以て所得税を差し引いて国などに納付する制度。サラリーマンは年末調整で、年金生活者などは確定申告で年間の調整をする。

 税額計算の詳しい方法は、「所得税の確定申告の手引き」を参照してください。税務署で貰ってくるか、ネットで見る ことができます。
 その手引きの中から、「課税される所得金額に対する税額の計算」方法を下表に示します。下表で 「Cの金額」とは課税される所得金額のことです。これにより最終的に所得税額が計算され、源泉徴収税額との差額が「納める税金」、または「還付される税金」となります。

  

<医療費控除>
 所得控除のうち、医療費控除と寄附金控除について少し触れることにします。
 まず、医療費控除ですが、年金生活ともなると多くの人は医療費がかさんできます。家族全員で医療費が年間10万円を超えると、確定申告をすることで税金が戻ってきます。上図の「所得から差し引かれる金額」の「医療費控除」の項から計算できます。医療費の明細書はEXCELなどを使って別途作成してもOKです。

・医療費控除の額=1年間に払った医療費の合計額-生命保険の入院給付金等補てんされる金額-10万円
・医療費の還付金=医療費控除の額×確定申告する人の所得税の税率
 例えば、1年間に払った医療費の合計額が80万円、生命保険の入院給付金が20万円とすると、医療費控除の額は 80万円-20万円-10万円=50万円 となります。この値に税率を乗じた金額が戻ってきます。

 ただし、医療費として認められるもの・認められないものがありますので注意が必要です。
・認められるもの
 公的医療保険の自己負担分、通院に必要な交通費、薬局で購入した風邪薬・鎮痛剤など
・認められないもの
 自家用車のガソリン代・駐車場代、予防接種、健康維持のためのドリンク剤や錠剤など
・差し引くもの(補てんされる金額)
 生命保険や損害保険の入院給付金、高額療養費など

<寄附金控除>
 次に、寄附金控除の話です。昨年は東日本大震災や紀伊半島豪雨災害など、大変な災害に襲われてしまいました。多くの方が日本赤十字社や地方公共団体などに義援金を送ったのではないでしょうか。
 その義援金が 2,000円を超える額であれば、寄附金控除の対象となります。寄附した団体から交付された受領証を添付して、寄附金控除の適用を受けてください。

<申告データの保存と読込>
 作成したデータを保存する場合は、画面下の「入力データを保存する」ボタンをクリックしてください。作成途中で中断するときも、データを一時保存しておくと間違いが少ないでしょう。
 「入力データを保存する」ボタンをクリックすると、「確定申告書データ保存」の操作画面に移ります。「データ保存」ボタンから操作を続けると、ファイル名「23年所得申告データ.data」の「ファイルのダウンロード」画面が出るので、「保存」をクリックします。ファイルをダウンロードするとは、国税庁のコンピュータにあるデータを自宅パソコンにダウンロードして保存することです。
 次の「名前を付けて保存」画面では、「保存場所」をしっかり意識して保存してください。すでに保存している場合は、そのファイルを選択して上書き保存しましょう。

 作成途中に保存したデータを使って作成作業を再開するには、申告書作成のトップページ「平成23年分の作成コーナー(トップ画面)」の「作成再開」から操作します。「作成再開」をクリックすると、「本年分の保存データの読込」の操作画面に移り、「参照」ボタンから「保存ファイル名」を呼び出します。
 このとき「アップロードするファイルの選択」画面が出るので、「23年所得申告データ.data」を指定します。ファイルをアップロードするとは、パソコンにある「23年所得申告データ.data」を、確定申告書作成のプログラムがある国税庁のコンピュータに送り、作成作業を再開できるようにすることです。

 パソコンにあるファイル「23年所得申告データ.data」をダブルクリックしても、プログラムはパソコンにはなく国税庁のコンピュータにあるので作業は再開できません。(ダブルクリックするとデータが破損して、利用できなくなる可能性があるので注意してください) パソコンはあくまで操作端末であり、計算処理は国税庁のコンピュータでするようになっています。
 このシステムの「保存」や「読込」の手順は、パソコン単体のときの「保存」や「開く」操作とは、イメージが異なりますので意識して操作してください。

<申告書の印刷>
 ウィザードが進み「住所・氏名等入力」が終わると、「申告書等印刷」画面に移ります。この画面下部の「印刷画面の表示」をクリック ~「添付書類の提出について」画面下部の「印刷画面の表示」をクリックします。
 PDF形式の「平成23年度分の所得税の確定申告書B」が表示されます。「ファイル」メニューから「印刷」をクリックすると、税務署へ提出する書類と控が印刷されます。必要なら、「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」をしておきましょう。

(注)この確定申告書作成コーナーでは、入力された内容にかかわらず、すべての所得・控除に対応する申告書B様式により表示・印刷されます。

<e-Tax を考える>
  電卓で計算した手書きの申告書も、税務署の相談コーナーで作る申告書も、自宅のパソコンで作る申告書も、すべて紙面によるデータです。税務署では提出された紙データを、いずれコンピュータに入力しなければ事務処理ができません。この入力の手間を省くため?国税庁は盛んにe-Tax(電子申告)の利用を奨めています。税務署でデータ入力を省くメリットはきわめて大きいはずです。

 e-Tax とは自宅パソコンに保存した申告データを、通信回線を使って所管の税務署に送るシステムです。電子データですから税務署ではコンピュータに入力する必要はありません。申告書を自宅で印刷して持参する方法もe-Tax で送信する方法も、国税庁のコンピュータを使って納税額を計算することはまったく同じです。
 この両者の違いは、申告データを税務署に紙面で届けるか、電子的に届けるか「だけ」です。「だけ」といいましたが、申告データを最寄りの税務署に送るe-Tax のシステムは、個人を確定して通信回線経由で安全に送るために、複雑で厳格にできています。これを使いこなすのは、そう容易ではありません。

 納税者にとってもe-Tax にすれば、書類を添付する必要がない、税額控除がある(平成24年分で終わり)などのメリットはあります。私は2年前にe-Tax に挑戦しました。パソコン操作に迷いながらも、提出方法でe-Tax を選択してウィザード(画面案内)に従って進めることにしました。結果オーライでした。
 ただ、私の経験からいうと一般の人には難しくてお奨めできません。ICカード(住民基本台帳カード)の取得やICカードリーダの設置なども厄介です。
 e-Tax にはこのウィザードによる方法の他に、「e-Tax ソフト」なる専用アプリで申告データを作る方法もあることが後になってわかりました。このe-Tax ソフトは所得税をはじめ、法人税、消費税などの確定申告をする事業者向けのアプリで、一般の人には煩雑すぎて使い切れません。

 そこで本稿は、自宅パソコンから国税庁のコンピュータを使って確定申告書を作成する(ここまではe-Tax も同じ)、計算結果は印刷して書面で税務署に提出する、という従来の方法を改めて奨める内容となりました。
 でも、e-Tax にはいい点も沢山あります。私は今後ともウィザードによるe-Tax の申告を続けるつもりです。パソコンを自由に扱える人にとっては、最も便利な納税方法であることは間違いありません。e-Tax の税額控除は24年分で終わりです。我こそと思う人は、ウィザードによるe-Tax に挑戦してください。

(注)e-Tax の税額控除
 申告期限内にe-Tax で申告すると、平成23年分は所得税額から4,000円の控除を受けることができます。ただ、平成19年分から22年分は5,000円、23年分は4,000円で、24年分の3,000円を最後にこの適用は終了です。(この間でいずれか1 回受けることができます)


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