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WordPressの概要を調べてみた

(2020年01月15日)

 2001年に米国のシックス・アパート社が開発した「Movable Type」が、昨今でいうCMS(コンテンツ管理システム)の走りです。その後2003年に「WordPress」がオープンソースとしてリリースされ、今はCMSの世界で一強の地位を占めています。CMSは Contents Management System の略で、「Webサイトを構成する文書や画像とデザインなどの情報を、管理し保存するシステム」と説明されます。
 ありていに言えば、普通のホームページが自PC内で html文書を作ってネット上のWebサーバにアップロードするのに対し、CMS はネット上のWebサーバ内に 自PCで直接 html文書を作る仕組みです。ユーザが html文書をホームページとして見る仕組みは両者まったく同じです。
 さて、私は現在 Panasonic OB会に参加して、WordPressで Webページを作りつつあります。まだWordPressの全体像がハッキリとは見えず、理屈抜きにページの投稿・更新・追加などの操作をしているだけです。隔靴掻痒の感で落ち着きませんが、これを機にWordPress の核心に近づきたいという思いです。

<ネットで「WordPressとは」と検索してみた>
 ネット上のWordPressの簡単な説明は、およそ次のような記述が殆どです。WordPressが高度なシステムで作られていることもありますが、一般のホームページを作っている人でもピンとこない説明文多いようです。初心者にとってはなおさらでしょう。
◇『WordPressはホームページやブログの作成などをするCMS の1つで、無料で使えるソフトウェアです。Web関連の技術がない人でもホームページの記事投稿や管理ができるため、世界中のホームページのおよそ30% はWordPressで構築されていると言われています』
◇『一般のホームページ作成・更新の現場では、htmlやCSSなどの言語に習熟する必要があり、作業の難易度が高いうえに大変な労力を要します。しかし、CMSで制作されたホームページなら、Webページの初心者でもブラウザ上で文章や画像を入力するだけで、簡単にページの追加や更新ができます』
◇『WordPressは単純にインストールするだけでは使いやすいCMS にはなりませんが、日本には5,000社を超えるカスタマイズ会社があるといわれています。使いやすいページにするには、htmlとCSS(できればphpも)を知る技術者によるユーザ視点のカスタマイズが必要です』

 上記の記述を私なりに読み解くと次のようになります。
 今や世界中のホームページの30% はWordPressでできています。ただ、初心者が一人でWordPressのページを作るのは難しいでしょう。WordPressを利用するには専門の会社に依頼して、まず使いやすくカスタマイズしてもらいましょう。
 こうすれば実際の運用はブラウザ上で一部の文章や画像を入力するだけになり、簡単にページの投稿・更新・追加などができます。必要費用はほぼ初回のカスタマイズ費だけにとどまり、その後の運用は初心者でも可能ですから費用は殆ど発生しません。このことが従来のホームページ作成法に比べて、WordPressの最大のメリットといえるでしょう。

<初心者が WordPress のページを簡単に作れるか?>
 ネット上では初心者でもWordPress のページが簡単に作れるようなニュアンスの書き込みが氾濫していますが、ホームページ作成の全くの初心者がページを作るなら、「ホームページビルダー」などを使った従来の方法の方がよほど簡単です。これなら書店には多くの解説本が並び、ネット上にも多くの詳しい内容の書き込みがあります。
 同じ初心者がWordPressのページを作ろうとすると、これはもう大変です。まず、業者からサーバを借りてデータベースの設定、WordPressのインストールから始まり、テーマとプラグインの選定、独自ドメインの取得とネームサーバ(DNS)の設定を経て、さらにWordPressのカスタマイズをへて、ようやく実用的なページの作成に移れます。このように前準備が大変です。
 ただ、レンタルサーバの専門業者、例えば「さくらインターネット」や「ロリポップ!」などのサーバを借りれば、これらの前準備はかなり簡単にはなります。

 WordPressのページの作成は教本を見ながら進めるしかありません。ただ、次々に「ああしなさい・こうしなさい」の記述通りに進むのも大変です。不明な点があってもテーマやプラグインの操作がそれぞれ個別に異なるので、誰にも聞くことはできません。初心者の殆どは頓挫するハメになってしまうでしょう。
 さて、ネット上でいろんなWebページを検索するとします。WordPress に少し慣れれば、開いたページがWordPressのページであるかどうかはほぼ判別できます。ページ全体のデザインやそのURLが独特であることなどから分かります。個人商店や中小企業のページや IT技術の説明ページには、WordPressでできたページが多いようです。いずれのページも内容・デザインともにかなり垢抜けしたページになっています。
 個人商店や中小企業のWordPressのページは、専門のIT会社にカスタマイズを依頼したのでしょう。IT技術の説明ページは専門技術を持っているので自身でカスタマイズできます。

<WordPress の仕組み>

 WordPressを使うとき最初に学ぶべきことは、その全体的な仕組みを理解し、どのような動きをするかをイメージすることが重要です。WordPressは4つの要素が右図のような相関関係によって構成されており、それぞれが独立して動作する仕組みになっています。
 WordPress本体とデータベース(一般にMySQLが使われる)はWordPressの屋台骨そのものです。テーマはWebページ全体のデザインなどを決めるテンプレートのことです。プラグインはWordPressにいろいろな機能を追加するプログラムで、インストール後に「有効化」して使います。

<コンテンツやメディアの保管場所>
 Webサーバには「WordPress本体(ここではテーマ・プラグインを含む)のプログラム群」があり、データベースMySQLにはWordPressの設定情報、記事タイトル、記事コンテンツ、カテゴリ、投稿日などが保存されています。データベースはExcelで作った住所録のようなもので、これら情報を行(レコード)と列(フィールド)で指定されるセルに格納して管理しています。
 私が作った試作品「wp」で WordPressのフォルダ構成をみると、下図のように 3つのディレクトリ「wp-admin」「wp-content」「wp-includes」があります。そして「wp-content」にはテーマ「themes」とプラグイン「plugins」があり、さらに「uploads」にはアップロードされたメディア(写真・動画・音声・PDFなど)が、年月順に保存 される仕組みになっています。


<WordPressはphpで動いている>
 ユーザからブラウザでWordPressサイトにアクセスがあれば、WordPressはデータベースにある記事コンテンツなどの情報と、本体にあるその関連メディアを収集してhtmlファイルを生成して、これをユーザに返しブラウザはhtmlを解釈して表示します。
 ユーザからアクセスがある度に、データをどのように取得してどのように組み合わせて表示するかのルールは、WordPressのテーマに記述されており、この仕組みがWordPressの働きの根幹をなしています。このようにユーザからのアクセスの都度Webページを動的に構築するために生まれたのが、php(hypertext preprocessor)というプログラミング言語でWordPressはこのphpで動いています。
 一方、従来のホームページはPC上でWebページを作成し、ftpツールでサーバにアップします。ユーザからアクセスがあれば、ブラウザはこれをそのままダウンロードして表示するだけです。このように従来のWebページは静的なページであるのに対して、WordPressのWebページは動的なページと呼ばれます。

<そもそもWordPressは重い?>
 WordPressは重い=動作速度が遅いはずです。原理的にユーザのアクセスに対して、その都度 動的にhtmlファイルを作り出すメカニズムを採用しているからです。同時に多くのアクセスが来るとこのメカニズムにさらに負担がかかります・・・・
 WordPressは比較的小さなWebページに採用されるケースが多いように感じます。原理的にどの程度の大きさのページまでが実用的なのか、こんな疑問もあります。私にとってWordPressは まだまだ多くの不明なことの多いシステムです。


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